車で、仙台市から国道45号線を多賀城市方面に向かい、燃えた石油精製工場を右手に県道58号線を海岸沿いに走らせると市内から30分ほどで宮城県宮城郡七ヶ浜町の菖蒲田地区に着く。ここは県内有数の海水浴場としても有名なところだ。少し高台の中を走り、見晴らしが開けると、一面が跡形もない。右側には漁港が見える。これが菖蒲田漁港である。しかし、後方の高台はそんなに高くはないのに被害は少ないようだ。今後の街づくりの参考になるようである。

菖蒲田の目の前の海は太平洋で、島など陰になるようなものはなく、漁港そばにある電柱などはぐにゃりと折れ曲がるなど、その津波の威力を目の当たりにする。漁港そばの住宅は跡形もない。しかし、後方に行くにつれ少し高くなっているが、そこの被害は少ないようだ。高低差で見ると3~5mしかない。木々や電信柱などの傷跡から津波はそれ以上の高さで襲ってきたようだが、外観は大きな損傷はない。


崩れた街並みを見ると、大半の家にブロック塀がある。後方(少し高台)にある家の前には倒れずに残っている。もちろん漁港の前には防波堤があり、漁港と道路の間には2m近い堤防もある。もちろん、ここに建てられた家もそうだが、津波にとっての遮蔽物が色々とあるのである。その結果、遮蔽物が少ない道路などを通って迂回するように回った痕跡が見える。それと、建物の後ろにそうした遮蔽物があることも力を分散させる効果があるようだ。漁港内の倉庫は、直接津波を受けているはずだが、倒壊していない。もちろん建物の構造の問題もあるが、すぐ後ろ1mほどのところにある堤防の効果もあったと思われる。そのまま流れることが出来ないことで、力が分散されたのではないかと思われる。また、小さな丘で海岸からの距離も50mほどしかないにも関わらず、大きな被害を避けられたところと、ほぼ壊滅した漁港前の住宅地。この50mが分けた大きな差をより明確にしてくれたのが、菖蒲田海水浴場である。

【石崎】