菖蒲田漁港を右手に抜けると菖蒲田海水浴場になる。仙台市内から車で約30分という近さの菖蒲田海水浴場は、海開き前に砂利の整地とゴミ拾いを徹底し、加えて波が静かで水もきれいな遠浅の海岸は、大勢の海水浴客で賑わいを見せる。海水浴場の開設は、明治21年と古く、歴史のある海水浴場で、仙台でも有数の海水浴場である。菖蒲田業港周辺同様ここも大きな被害を受けていた。きれいな砂浜には、ゴミどころか、大きなコンテナがゴロゴロ転がっているのだ。
遊歩道から砂浜に下りることが出来るように作られているが、遊歩道に上って見ると、ゴミの散乱でなく、コンテナが散乱していた。砂浜や、人口海浜部分に少なくても10コ以上のコンテナが散乱している。

偶然現地を見に来ていた方の話によると、写真の場所は多数の民宿などが立ち並び、海の家なども多くあったという。しかし、その建物の面影はなく、かろうじて手入れされた庭園が、そうした面影を残している感じである。


この海水浴場がある周辺の町も、漁港周辺と同様に高台だが、被害わ受けを受けているものの軽微なようだ。一方で、この高台の後方の住宅地や田畑などは被害が出ている。この地区は、海岸線沿いを走る道路のほかに、高台の後ろ側を走る県道が丁度合流する地点にあたる。津波は、海岸から押し寄せた後、遮蔽物や高台に邪魔されながら、迂回するように遮蔽物がない県道側へと押し寄せたようだ。その結果、高台の裏側ながら県道沿いに被害が出ることとなった。

また、松林も防風林としての役立ちは大きかったようで、庭の木々でさえ、津波の力を弱めることに少しは役立ったようだ。

1軒だけ無事な軽量鉄骨の家があるが、この家と海との間には1.5mほどのコンクリートの防壁がある。この防壁がなんなのかは崩れて読みとれないが、これが大きな役割を果たしたように見える。もちろん、この家も1、2階ともにガラスは割れ、色々なモノが入っているようだが、内部からの侵入物が壊すことも少なかったようだ。数十メートル先に同じように、外観が無事な住宅があるが、こちらは内部がぐちゃぐちゃで、この2軒の差は大きい。こちらの建物の前には防風林が少しという状態だった。


押し寄せた津波の力が遮蔽物で軽減され、抵抗がないほうへと流れるのは自然の法則である。そのため、たとえ遮蔽物が1mでもあれば、力を軽減させることにはつながる。それは、木々でもできるのだが、木々の場合は隙間があるため、この隙間から直接入り込まれると、圧力は減じられているものの、内部に色々なものが入り込み、それが内部から家を壊すことになるようだ。
津波ではないが、福岡の水害の時にも、同じような場所で、小さな(1mほどの高さ)ブロック塀があった家は床下浸水にならず、ブロック塀がなかった家は床下浸水したケースがあった。規模も状況も違うが、水の力を軽減させることや、水の特性(低いところ、遮蔽物がないところに流れる)をつかんだ街づくりや家づくりが被害を最小限に食い止めることにつながるのではないだろうか。
【石崎】
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