インターネット、通信各社がスマートフォン(高機能携帯電話)向けに「アプリ」と呼ばれるゲームなどの応用ソフトを提供する事業を拡大する。交流サイト(SNS)のディー・エヌ・エーがゲームサイトなどを展開するほかグリーも専用ソフトの提供を始めた。スマートフォンは2013年度には国内出荷台数が従来型携帯電話を上回る見通し。NTTドコモなど通信会社も「iモード」型サービスに変わる収益源に育てるため、課金システムなどを整備している。
ディー・エヌ・エーはスマートフォン向けアプリの開発投資を積み増す。6月までに約7億円をシステムやゲームソフトの開発に充てる。ゲームを主体とした交流サイト「Mobage(モバゲー)」を6月にも米国で開始。併せてゲームなど課金型のスマートフォン用アプリ種類を拡充、収益拡大につなげる。
利用者が国内に限られる従来型携帯電話向けサービスと異なり、仕様が世界共通のスマートフォン向けは世界市場を開拓するチャンスがある。コンテンツ企業にとって有望な分野だ。グリーも専用ソフトの提供に乗り出したほか、4月に米SNS大手を買収し、国内外でスマートフォン用アプリの利用者を広げる。
iモードなど従来型の携帯電話向けソフト・情報サービスはパソコンのように多様なソフトが利用できるスマートフォンの登場で「解約率が高まっている」(通信会社)という。iモード型サービスの課金代行を収入源としてきた携帯電話会社にとっても問題となっていた。
このためNTTドコモはスマートフォン向けのコンテンツ配信サービス「ドコモマーケット」を昨年開設。ネット企業の有料ゲームソフト類の決済を代行し通信料とセットで徴収するサービスを始めた。KDDIもスマートフォン用ソフトをそろえた専用サイトを開設、課金代行している。
広告で収益化するサービスでもスマートフォン対応が進む。オリコンはスマートフォン用ソフトの人気ランキングを無料で見られるアプリを開発。広告枠を企業に販売して収入を得る。
野村総合研究所によると、15年度の国内携帯電話端末の出荷台数は10年度見込み比43%増の4570万台となり、その7割超をスマートフォンが占める見通しという。